年下君と美術館

美術館にはあまり来たことが無い彼だったけれど、フェルメールの写実的な絵に魅せられたのかあまり言葉を交わさず館内をまわった。
小さな川沿いの近くの美術館の近くには小さなカフェがあって、少し遅いお昼ご飯を一緒に食べた。
向かい合って話すのは少し緊張したけれど彼もポーカーフェイスながら少しだけ緊張して、だけど私のそばに居心地の良さを感じていた。うぬぼれかもしれないけれどそれだけはわかる。恋愛感情に近い友愛の感情。私も似たような感情でみている。口では言い表しにくい不思議な気持ちだ。
カフェでの会話はあまり覚えてない。
ただ居心地がよかったことを強く覚えている。
帰り道、小川のそばのベンチに座って彼はオカリナを吹いてくれた。
夕暮れのオレンジとオカリナの音色は、その時寂しさを覚えていた私を癒すには十分だった。
これが私と彼との初めてのデート。